生物化学 問題

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目次

タンパク質

タンパク質は、アミノ酸中のカルボキシ基とアミノ基が脱水縮合した高分子である。アミノ酸配列の違いによってタンパク質の物性は異なり、その違いを利用してタンパク質を精製することができる。また、アミノ酸配列は折りたたみ構造にも影響を与え、多様な生物学的な機能が生み出されている。

必須アミノ酸

http://www.jukenmemo.com/chemistry/organic/amino2/#i-6

ジペプチド結合の周りの回転が自由でないのは、共鳴構造でC=N結合が形成されるので回転が自由にならない。

また、ジペプチドに含まれる酸解離指数(\(pK_{a}\))を知るには、

タンパク質の二次構造

αヘリックス

βシート

ミカエリス・メンテンの式

酵素反応がミカエリスメンテンの式で表せるとき、\(v_0\)が[S]に依存しない条件と[S]に対して一次になる条件をそれぞれ答えよ。

$$v_0=\frac{V_{max}[S]}{K_m+[S]}$$

(i)\(K_m\)<<[S]の時

\(K_m+[S]={S}\)になるのでミカエリスメンテンの式は$$v_0=V_{max}$$となる。

(ii)\(K_m\)>>[S]の時

\(K_m+[S]=K_m\)になるのでミカエリスメンテンの式は$$v_0=\frac{V_{max}[S]}{K_m}$$となり、一次の式になる。

ミカエリスメンテンの式の導出

$$\frac{d[S]}{dT}=k_{-1}[ES]-k_{+1}[S][E] ①$$

$$\frac{d[E]}{dT}=k_{-1}[ES]-k_{+1}[S][E]+k_p[ES] ➁$$

$$\frac{d[ES]}{dT}=-k_{-1}[ES]-k_p[ES]+k_{+1}[S][E] ③$$

$$\frac{d[P]}{dT}=k_{p}[ES] ④$$

反応は定常状態であると、➁式の左辺は0になるので

$$k_{+1}[E][S]-k_{-1}[ES]-k_p[ES]=0 ➁’$$

ここで、酵素の全濃度\([E_{total}]\)は

$$[E_{total}]=[E]+[ES] ⑤$$

であるから、⑤を➁に代入して[E]の項を消す。

$$k_{+1}([E]_t-[ES])[S]-k_{-1}[ES]-k_2[ES]=0 ⑥$$

$$[ES](k_{-1}+k_{p}+k_{+1}[S])=k_{+1}[E]_t[S] ⑦$$

両辺を\(k_{+1}\)で割ると、

$$[ES](\frac{k_{-1}+k_{p}}{k_{+1}}+[S])=[E]_t[S] ⑧$$

これを変形して[ES]=にすると

$$[ES]=\frac{[E_t][S]}{\frac{k_{-1}+k_{p}}{k_{+1}}+[S]} ⑨$$

反応速度が最も早いのはすべての基質が酵素-基質複合体になった時なので

$$V_{max}=k_p[E]_t  ※[E]_t=[ES]  →[E]=0$$

である。よって、⑨式に\(k_p\)を掛けると

$$v=\frac{V_{max}[S]}{K_m+[S]}$$ が成り立つ。

阻害剤の導入

競合阻害

まず、酵素の物質収支を考える。

$$[E]_t=[E]+[ES]+[EI] ①$$

ミカエリスメンテンの式の例題

\(V_{max}\)の0.5倍および0.9倍のvを与える基質濃度を\([S]_{0.5}、[S]_{0.9}\)と書くとき、基質濃度比\(\frac{[S]_{0.9}}{[S]_{0.5}}\)を計算する。

それぞれの場合におけるミカエリスメンテンの式は

$$0.5V_{max}=\frac{V_{max}[S]}{K_m+[S]} ①$$

$$0.9V_{max}=\frac{V_{max}[S]}{K_m+[S]} ➁$$

以上の式より、基質濃度比は9となる。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸の方が融点が低い。なぜなら、不飽和脂肪酸はC=C結合部分によってcis型の配置を取るため、飽和脂肪酸よりも分子同士が接近しにくく分子間力が働かないために融点が低くなる。

ホモグリカン

ホモグリカンは一つの糖が20個以上結合しているもので、

キチン、セルロース、デンプン、アミロペクチン、グリコーゲン

脂質の分類

  • 脂肪酸…長い炭素鎖の後にカルボニル基
  • トリアシルグリセロール…グリセリンと3分子の脂肪酸のエステルのこと
  • ろう(wax)…脂肪酸と高級アルコールのエステルのこと
  • グリセロリン脂質…トリグリセリドの3位のアシル基の代わりにリン酸基にアルコール成分が縮合した物
  • ステロイド…3つの6員環と1つの5員環がつながった構造を持つ。
  • カロテノイド…二重結合と単結合が連続して並んでいるもの。
  • テルペノイド…イソプレンがつながったもの??よくわからん
  • エイコサノイド…アラキドン酸(20:4 ω6)から導かれ、酸素原子が種々の化学形で添加された炭素数20の高度不飽和脂肪酸の誘導体の総称である。

ステロイドの役割

  • 生体膜の構成成分→コレステロール
  • ホルモン→テストステロン
  • 界面活性剤→胆汁酸

脂肪酸の特徴

天然に存在する脂肪酸の特徴を5つ

  • 生体内ではエステルとして存在する
  • 炭素数が多く、直鎖である
  • 炭素数は偶数個である
  • 二重結合をもったものはシス型
  • 二重結合を二つ以上持つ場合には必ず、cis,cis-1,4-pentadiene構造をとる

特に、炭素数が少なく、二重結合の数が多いほど融点は低くなる。

脂肪酸と中性脂質の構造

脂肪酸の略記法は18:2(9c,12c)だと18個炭素があって、二重結合が2つある。さらに、カルボニル基末端の炭素から数えて9と12個目の炭素に二重結合がついている。ちなみにリノール酸。

ω6とかω3というのは、メチル基炭素の番号を1番として6番目、3番目の炭素から二重結合が始まる脂肪酸群のことである。n-6,n-3系列ともよぶ。

  • ω6→アラキドン酸、リノール酸
  • ω3→

脂質二重層の形成

グリセロリン脂質によって脂質二重層が形成されるとエントロピーが増大する。

グリセロリン脂質分子が水中で独立で存在すると、グリセロリン脂質分子の疎水基(アルキル基)に隣接する水分子がこれを囲むように規則性の高い籠状の構造を形成する。籠状構造を形成した水分子の動きは束縛されており、ダイナミックなクラスター構造を形成するバルクの水分子よりはエントロピーが小さい状態である。

しかし、このエントロピーの現象の度合いはグリセロリン脂質分子中疎水基と水分子が接触する表面積に比例する。つまり、グリセロリン脂質分子が互いに会合しあって脂質二重膜を形成すれば、水と接する表面積を大幅に減らすことができ、水はより規則性の低い(エントロピーの大きい)状態になることができる。

要するに→グリセロリン脂質分子の疎水基同士を向かい合わせにすることで、疎水基をっていた水分子が自由になって全体の乱雑さが増す。

生体膜の流動モザイクサイクル

生体膜の基本構造は脂質二重層構造であり、その二重層の疎水性内部にタンパク質が埋まっていたり、膜表面に付着していたり、二重層の脂質分子に共有結合していたりする。

脂質二重層構造は流動的であり、これらのタンパク質(二重膜に埋まっているタンパク質、表面に付着しているタンパク質、)は膜内あるいは膜状を水平方向に移動できる。これが流動モザイクモデルである。

生体膜の流動性を支配する主な要因は

  • 温度 →温度が低いと生体膜の流動性
  • 構成脂肪酸のアルキル側鎖の長さ →アルキル基の側鎖が長いと生体膜の流動性は下がる。
  • 不飽和脂肪酸含量 →不飽和脂肪酸含量が高いと流動性が下がる。

生体膜と脂質

  • 脂質二重膜→生体膜中の脂質分子は、切れ目のない約5nmの二重層をなすように配列しているような膜のこと。
  • グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール化合物→細胞膜中にある主な脂質。
  • 両親媒性→膜中にある脂質分子はすべて、親水性の末端と疎水性の末端を一つずつ持っていてこのような性質のこと。
  • グリセロリン脂質→グリセロリン脂質は親水性の末端は極性の頭部からなり、疎水性の末端には疎水性側鎖からなる2個の尾部がある。
  • ミセル、膜質二重層→両親媒性の分子を水性の環境に置くと、疎水性の尾部を包み込み、親水性の頭部が水槽に面するように集合する。この時、球状に集合するとミセル構造、平面に集合すると脂質二重層である。
  • 膜タンパク質→膜貫通タンパク質、表在性膜タンパク質、脂質アンカー型膜タンパク質に分類される。

膜質二重層はすべての細胞膜に共通している基本的な構造である。

生体膜はグリセロリン脂質の二重層を基本構造とし、この脂質二重層にタンパク質が埋め込まれた形をとる。脂質二重層構造はエントロピー増大によって自発的に形成されるため形成や維持にエネルギーの投入を必要としない。

細胞膜脂質の脂肪酸組成は同じ生物でも生育温度により異なりうる。

生体膜の基本的な構造は脂質二重層によって決まっているが、膜に特異的な機能は主にタンパク質が担っている。

溶血酵素

ホルホリパーゼの基質はグリセロリン脂質である。

グリセロリン脂質のリン酸基とグリセロールを繋いでいるエステル結合を切断する。

赤血球膜の脂質二重層構造の形成と維持にリン脂質の両親媒性構造が必須であり、ホスホリパーゼはその両親媒性構造を破壊してしまうから→リン酸基は極性部位である。

また、脂質二十層構造の形成は脂質分子に依存するがタンパク質には依存しないので、プロテアーゼがタンパク質のペプチド結合を切断されても必要がない。

脂質の消化・吸収と体内動態

トリアシルグリセロールは小腸管内で胆汁酸とミセルを形成し、膵リパーゼにより2-モノアシルグリセロールと脂肪酸に分解されてから小腸上皮細胞に吸収される。同細胞内でこれらの分解産物からトリアシルグリセロールが再合成される。

トリアシルグリセロールは水に溶けないのでリボタンパク質に内蔵された状態で血中に現れる。

小腸上皮細胞であれ脂肪細胞であれ、トリアシルグリセロールが細胞に入る際には、まず細胞内外で分解されてから細胞内に入り再合成されるという点は共通である。

脂肪細胞に入る際は脂肪組織の血管内皮細胞に存在するリボタンパク質による分解も受ける。

キロミクロン小腸
VLDL肝臓
IDL
LDL
HDL肝臓

キロミクロン→VLDL→IDL→LDL の順番で、トリアシルグリセロールは減少、コレステロールは増加する。

リポタンパク質の比重はそれに含まれるアポリポタンパク質の含量に依存する。

キロミクロンが血中に存在するのは食後だけである。

リポタンパク質の中でHDLの生理学的役割はほかのリポタンパク質とは異なっている。具体的な役割は??→

脂質の過剰摂取によりLDLが血中に蓄積し始める。動脈硬化はこの蓄積したLDLが酸化されることで、変性LDLとなりマクロファージがこれを食べてしまい、マクロファージの泡沫化が起きてしまう。このマクロファージが死に、その残骸が動脈硬化の原因となる。

コレステロールは動脈硬化の原因ともなりうるが、生体膜の必須構成成分であり、ホルモンや胆汁酸の前駆体でもあるの適量を摂取しなければならない。

脂肪細胞内の貯蔵トリアシルグリセロールが分解されることにより生成した脂肪酸は、脂肪細胞から拡散により血流が入る。長鎖脂肪酸は水に溶けないので、アルブミンという血清蛋白質に結合して血中を移動する。

リポタンパク質について

リポタンパク質は血流にのって末梢組織に脂質を輸送する。リポタンパク質は比重によって分類されている。キロミクロンは少量から脂肪組織や骨格筋へ食餌由来のトリアシルグリセロールを供給する。

キロミクロンの次に比重が大きいリポタンパク質VLDLは肝臓で合成されて、これも血流によって各組織にトリアシルグリセロールを供給する。

VLDLは血流により移動する間に比重を増し、LDLへと形を変える。

LDLは真核細胞の細部膜の重要な構成成分の一つであるコレステロールを多量に含み周辺組織の細胞の細胞膜にそれを供給するという重要な役割を担う。

LDLはその表面に存在するアポリポタンパク質を介して細胞膜上のコレステロール受容体に結合したあと、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ、リソソームというオルガネラ中で分解される。

これにより細胞内に遊離されたコレステロールが細胞膜に取り込まれる。血液流のコレステロールの蓄積は冠状動脈疾患の危険因子となる。

比重が最も大きいリポタンパク質HDLは、VLDLと同じく肝臓で構成されて周辺組織の細胞膜から過剰なコレステロールを除去する役割をもつ。

脂質の消化

仮にフライドチキンを食べたとした時のトリアシルグリセロールが体の脂肪細胞へと移行する経路で起こる生化学的プロセスについて

  • 小腸管内→食餌性トリアシルグリセロールは小腸管内で胆汁酸とミセルを形成して均一に分散し、膵リパーゼにより2-モノアシルグリセロールと脂肪酸に分解されてから小腸上皮細胞に吸収される。
  • 小腸上皮細胞→2-モノアシルグリセロールと脂肪酸からトリアシルグリセロールが再合成されて、キロミクロンに取り込まれる。
  • 血液と肝臓→キロミクロン半リンパ管から血流にのって体内を移動し、その過程で末梢組織にトリアシルグリセロールを供給する。肝臓に到達したキロミクロン中の食餌性トリアシルグリセロールや肝臓で合成されたトリアシルグリセロールはVLDLに取り込まれて同様に血流にのって体内を移動して末梢組織に供給される。
  • 脂肪細胞→キロミクロンやVLDL中のトリアシルグリセロールが脂肪細胞に入る際には、脂肪細胞の血管内皮細胞に存在するリポタンパク質リパーゼによりグリセロールと脂肪酸にいったん分解されたのちに脂肪細胞内に輸送され、脂肪細胞内で再合成され、蓄積する。

リパーゼのまとめ

リパーゼ機能する主な器官・組織細胞局在性生理的基質役割
膵臓リパーゼ小腸細胞外トリアシルグリセロール小腸管内での脂質の消化
ホスホリパーゼA2小腸細胞外グリセロリン脂質小腸管内での脂質の消化
リポタンパク質リパーゼ脂肪細胞の周辺組織細胞外リポタンパク質中のトリアシルグリセロール脂肪細胞へのトリアシルグリセロールの供給
ホルモン感受性リパーゼ脂肪細胞細胞内トリアシルグリセロール脂肪組織における貯蔵とトリアシルグリセロールの分解
モノアシルグリセロールリパーゼ脂肪細胞細胞内モノアシルグリセロール 脂肪組織における貯蔵とトリアシルグリセロールの分解

脂肪酸のβ酸化

パルミチン酸からアセチルCoAが生じる過程を示す。

  1. パルミチン酸とアシルCoAを合成する。
  2. カルボニル基のCOOHのOHがSCoAになった(バルミトイルCoA)
  3. 脱水素を行うとC=O結合の隣とその隣の炭素から\(H_2\)を取って二重結合を形成。
  4. 水和を行いC=Oから遠いほうのCへ-OH基が、近いほうに水素付加。
  5. 再び脱水素を行い、C=O結合の隣とその隣の炭素から\(H_2\)を取って二重結合を形成。
  6. チオール開裂を行い、炭素が二つ少なくなったバルミトイルCoAと、アセチルCoAができる。(\(CH_3C=O-SCoA\))

カルニチンの重要性

カルニチンは脂肪酸がミトコンドリアの内膜を通って中に入る際にキャリアーとして働いている。

脂肪酸は細胞膜中ではアシルCoAの形をしていて、このままでは両親媒性のため内膜を通過できない。

そのため、内膜外側でカルニチンアシルトランスフェラーゼⅠの作用でアシルカルニチンになり、カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼに結合して膜の中を移動する。

内膜からミトコンドリアの中に放出される際はカルニチンアシルトランスロフェラーゼⅡの作用で再びアシルCoAとなる。

β酸化で得られるATP

β酸化1サイクルでは、炭素数2nの飽和脂肪酸から生じるATPの分子数:

$$14\times n-6$$であるから、パルミチン酸の場合、n=8であるから106ATPが生産される。

絶食時の脂質の動員と転写

マウスに水だけを与えて飼育したときの時間変化

時間 (hr)体重 (g)肝重量 (g)グリコーゲン (g)血糖値 (mg/100mL)
0261.30.3160
12251.0098
24241.0092
48221.0095

最初の12時間での主なエネルギー源は、「グリコーゲン」、「血中グルコース」ということが分かる。「グリコーゲン」、「血中グルコース」を分解してエネルギー源として利用する回路は解答とそれに続く酸化的リン酸化である。

さらに、表をよく見てみると血糖値が0にならず維持されているのはグルコースが合成されて一定のレベルに保たれているからである。この合成の原料はタンパク質の分解によるアミノ酸の炭素骨格から導かれている。

グリコーゲンを使った後のエネルギー源として分解されるのは脂肪酸で、マトリクスでのβ酸化によってエネルギーを獲得する。

β酸化によってせっかくアセチルCoAを合成してもクエン酸回路ではオキサロ酢酸が足りなければエネルギー合成できない。そのため、ピルビン酸をカルボキシル化してオキサロ酢酸を補充すれば、スムーズにクエン酸回路が回る。

ケトン体、微生物ポリエステル

飢餓あるいは糖尿病の時に体細胞で利用できる糖が枯渇するため、エネルギー供給のために脂肪酸がβ酸化により分解され、多量のアセチルCoAを算出する。

アセチルCoAのアセチル基は、正常な状態ではクエン酸回路により\(CO_2\)に酸化されるが、飢餓あるいは糖尿病の時にはアセチルCoAの縮合相手であるオキサロ酢酸が相対的に不足するためクエン酸回路が十分に機能しない。

処理しきれないアセチルCoAは肝臓のミトコンドリアにおいてケトン体に変換される。

ケトン体とはアセト酢酸、3-ヒドロキシ酢酸、アセトンの総称であり、これらのうち3-ヒドロキシ酢酸はアセト酢酸の還元型、アセトンはアセト酢酸の脱炭酸生成物である。

ケトン体は水溶性のエネルギー分子であり、飢餓状態では血流にのって骨格筋や脳などに運ばれてそこでエネルギー源として利用される。

糖尿病などで、ケトン体が恒常的に過剰生産されると、ケトン体が尿中に放出されるケトーシス症状を呈し、また血液中の酸塩基平衡が酸性側にシフトするアシドーシス症状を示すことがある。

アセチルCoAからケトン体やアセト酢酸が生成する際に起こるC-C結合生成反応の名称はクライゼン縮合と呼ばれる。

生分解性プラスチック

ある種の生物はアセチルCoAから3-ヒドロキシ酢酸のポリエステルを合成し、エネルギー貯蔵物質として菌体内に蓄える。

貧栄養状態ではこのポリエステルをアセチルCoAに再変換あhしてエネルギー源とすることができる。このポリエステルは特徴あるプラスチックとしてその産業的利用が検討されている。

この生分解性プラスチックの特徴として、熱可塑性、生分解性、生体適合性がある。

脂肪酸の生合成

アセチルCoAのカルボキシル化でつくられるマロニルCoAのマロニル基部分の構造とその共鳴構造は

共鳴構造ではカルボキシ基の真ん中の\(CH_2\)の水素が抜けて、CoAに近いほうの炭素へ電子が移動しているパターンと、もう一方の炭素へ電子が移動しているパターンがある。

マロニルCoAは負電荷が二つのカルボニル基の上に火局在化するのでα水素をより放出しやすい。

飽和脂肪酸合成の炭素鎖の伸長(一回目)は、

  1. マロニルCoAイオンから出発する。そこへ、プロトンを放出しやすいα炭素とKSのカルボニル炭素が結合する。
  2. KSのSH基が脱離して炭素鎖が伸長する。

3-オキソブチリルACPは還元→脱水→還元の3段階を経て酪酸のACP誘導体を生じる。

この三段階の詳細は

  1. 3-オキソブチリルACPのACPから遠いほうのカルボニル基が還元される。
  2. 酸素の置換基に挟まれていた炭素の水素と、先ほど還元された-OH基が脱離して二重結合を形成。

この時の還元剤はNADPHが用いられている。

ブチリル基がACPからKSのSH基に移った後、以上の反応が再びブチリル基とマロニル基の間で起こると、結果としてヘキサノイル基が生じる。

通常はこうした反応が合計7回起こってバルミトイル-ACPが生成する。この段階で酵素チオエステラーゼが作用すると遊離の脂肪酸パルミチン酸とACPが生成する。

以上に述べてきたように、酵素反応において2炭素伸長の直接のカギとなるのはマロニルCoAである。この物質の生合成を触媒するのはアセチルCoAカルボキシラーゼという酵素である。

この酵素はリシン残基に結合した補欠分子族であるビオチンを含み、アセチルCoA、ATP、炭酸水素イオンを等モルずつ使ってマロニルCoAを生成する。

脂肪酸の生化学におけるC-C結合の生成と開裂の化学

脂肪酸のβ酸化と生合成の生化学の比較

比較項目生合成β酸化
細胞内における反応の場細胞質ゾルミトコンドリアのマトリクス
反応の場にアシルCoAを輸送する仕組みクエン酸運搬系カルニチンシャトル
アシル基担体アシルキャリアタンパク質CoA-SH
酵素群の会合状態多機能性の単一タンパク質個々の酵素
使用される酸化還元補酵素NADPH+\(H^+\)\(NAD^+,FAD\)
1サイクルあたりの炭素数の増減+2-2
C-C結合の生成または開裂の化学クライゼン縮合逆クライゼン縮合
エネルギー生産か消費かエネルギー消費エネルギー生産
このプロセスに関与する補酵素ビオチンパントテン酸

脂肪酸代謝

脂肪酸の炭素の塩量は脂肪酸分子のα方向に進む。

脂肪酸の酸化的分解は分子のβ炭素に対して起こる。

細菌はミトコンドリアを持たないので細菌細胞全体がミトコンドリアに相当して、脂肪酸分解は細菌細胞の細胞膜ゾルで起こる。

真核生物において、パルミチン酸の合成は細胞質ゾルで起こるが、パルミチン酸からの鎖延長反応と不飽和化は小胞体で起きる。

脂肪酸の生合成において、脂肪酸の炭素鎖の延長はパルミチン酸合成まではACPに結合しながら進行するがパルミチン酸からの鎖延長反応はCoAに結合しながら進行する。

人はω3,ω6系列の不飽和脂肪酸を合成できないので、それができる植物油脂から摂取しなければならない。

コレステロールの生合成と高脂血症治療薬

コレステロールの炭素原子はすべてアセチルCoAに由来する。コレステロール整合性の最初の重要な段階は、3分子のアセチルCoAが酵素的に縮合することによるHMG-CoAである。

HMG-CoAHMG-CoA レダクターゼによって還元されてメバロン酸を生じる。

この還元反応はコレステロール生合成経路の律速段階となっている。

メバロン酸の炭素数は6であり、2ATPを消費してその水酸基にピロリン酸基と結合したあと脱炭酸を受けて炭素数5のイソペンテニルピロリン酸(IPP)になる。IPPがその後の反応で合計6個縮合して生じる炭素数30 のスクアレンがコレステロール生合成の重要な中間体である。

スクアレンがスクアレンエポキシダーゼ、スクアレンオキシドシクラーゼの作用で閉環してコレステロール類に共通な環構造を持つラノステロールとなる。

これらの反応活性は細胞の細胞質ゾル分画に認められる。

スタチンは糸状菌が生産するHMG-CoAレダクターゼ阻害剤であり、日本で見いだされた高脂血症治療薬である。スタチンが血中のコレステロール生合成を下げる仕組みは以下のとおりである。

スタチンはコレステロール生合成の律速段階であるHMG-CoAレダクターゼを競合的に阻害することにより、肝臓におけるコレステロール生合成を低下させる。

これによりまず肝臓の内因性コレステロールレベルが低下すると細胞表面のLDL受容体を増やすことにより細胞外からコレステロールをとりこもうとする。

結果的に、スタチンを投入することは細胞表面のLDL受容体の多量発現をもたらして、血中LDLの多くが肝臓細胞に取り込まれる。肝臓はコレステロールの生合成ばかりではなく水溶化と排出をつかさどる器官でもあり、取り込まれたコレステロールは最終的に体外に排出される。

以上の結果として、スタチンの投与により血中のコレステロールレベルが大幅に低下することになる。

血中LDLコレステロールは心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスク因子でありそのレベルを下げることによりこの疾患の発症を防ぐことになる。

スタチンがHMG-CoAレダクターゼを競合的に阻害するのは、

スタチンのラクトン環の開環構造はHMG-CoAと似ていて、スタチンは酵素の活性部位を奪い合う競合阻害剤として作用する

酵素・阻害剤複合体の立体構造解析が行われ、スタチンの高い疎水性に富んだ部分がHMG-CoAレダクターゼ結合部位を占有してしまうこともわかってきた。

エイコサノイド

血流にのって運ばれて全身で一様な機能を発揮する全身性ホルモンとは対照的に、それを合成している細胞それ自身、あるいは近接した細胞にしか作用しないホルモン物質を局所ホルモンという。その典型的な例がプロスタグランジンをはじめとする炭素数20の一群の脂肪酸であり、それらはエイコサノイドと称される。

エイコサノイドには、プロスタグランジンのほかにプロスタサイクリン、トロンボキサン、ロイコトリエンが含まれ、それぞれきわめて低濃度で顕著な生理作用を示すのが特徴である。

また、反応性が高く化学的に不安定なものが多い。

炎症促進、血圧調節、伊民雄発熱、睡眠と覚醒の調節、分娩誘発、血液凝固の湯発などエイコサノイドの生理機能はア多彩である。

エイコサノイドの前駆体はアラキドン酸である。

アラキドン酸の大部分はリン脂質の構成アシル基として細胞膜に含まれ、リン脂質が酵素ホスホリパーゼによって加水分解されることにより生成する。

エイコサノイド生成経路のうち、シクロオキシゲナーゼ経路またはアラキドン酸カスケードと呼ばれる経路ではアラキドン酸がシクロオキシゲナーゼの作用を受けてプロスタグランジン\(G_2/H_2\)を生成し、さらに様々な反応を得てほかのプロスタグランジン類、プロスタサイクリン類、トロンボキサン類を生成する。

一方、この経路とは別の、リポキシゲナーゼ経路では、アラキドン酸はリポキシゲナーゼという酵素による位置特異的な酵素店化反応を受け、さらに代謝されてHPETE,HETE,ロイコトリエン類を生成する。

プロスタグランジンには炎症促進効果があるので、前駆体のアラキドン酸の生成を抑制すれば結果的に炎症を抑制できることになる。

したがって例えばホスホリパーゼの阻害剤であるコルチコステロイドは抗炎症剤になる。

また、アスピリンはシクロオキシゲナーゼの不可逆的阻害剤であり驚異的な抗炎症作用を示す。

シクロオキシゲナーゼの活性部位近傍のセリン残基にアスピリンのアセチル基が転移すると、酸素分子痛の活性部位に通じる溝がふさがれた基質が活性部に到達できなくなるため、シクロオキシゲナーゼは不活性化する。

一方、トロンボキサン\(A_2\)は強力な血小板凝集物質であり、アスピリンはトロンボキサン\(A_2\)のせい背を防げるので結晶板の凝集抑制も示すことになる。

すなわち結晶板の凝集は血栓の形成につながらるものであり、アスピリンを投入することで脳卒中や心筋梗塞を防ぐことができる。

酸化的リン酸化

解糖系はグルコースからATPを作る経路であるが、しかし、酸化的リン酸化ではプロトンの勾配を利用した電子伝達系でのATP合成経路であること。が違う。

嫌気性生物(活性酸素種を除去できない)

現在の地球環境問題は\(CO_2\)濃度の上昇であるが、太古の昔にラン藻が現れたときには酸素濃度上昇が環境問題であった。嫌気性生物は地球の片隅に追いやられることになった。

化学合成独立栄養独立細菌は、\(O_2\)以外の最終電子受容体を用いて電子伝達系による\(H^+\)駆動力を形成する。この時最終電子受容体は、フマル酸レダクターゼによるエネルギー生産ではフマル酸が最終電子受容体である。また、硫酸呼吸では硫酸イオンが、硝酸呼吸では硝酸イオンが受容体になる。

嫌気呼吸のほかにも、発酵(アルコール発酵など)がある。

いずれにしても、好気呼吸にくらべてATPの生産効率が悪く、増殖速度も小さい。

脱窒

脱窒菌の生体エネルギー生産法は、NADHが電子供与体になり、硝酸が電子受容体となって電子を運び、ATPシンターゼでATPが合成される。

好気性生物

太古の昔に酸素濃度が上昇したときに、好気性生物の生存範囲が拡大して好気性細菌を取り込んだ生物も出現した。

好気性生物は効率的にATPを生産する。例えば、人のミトコンドリアにおける1molグルコースから作られるATPのmol数を考える。

好気性生物の細胞内に存在するミトコンドリアでは、解糖系の最終産物であるピルビン酸を酸化することでエネルギーを得る。

まず、1molのグルコースは解糖系で

$$グルコース+2ADP+2NAD^+2P_i→2ピルビン酸+2ATP+2NADH+2H^++2H_2O$$

2ATPと2NADHが生成される。

複合体\(\Delta G^0 (kJ/mol)\)
複合体Ⅰ-69
複合体Ⅱ-2
複合体Ⅲ-35
複合体Ⅳ-116
各複合体の反応で解放される標準ギブスエネルギー

解糖系で生じたNADHがすべてグリセロール3-リン酸デヒドロゲナーゼで酸化される場合

グリセロール3-リン酸デヒドロゲナーゼでは、1NADHから1.5ATPが生成される。

よって、合計で5ATP

グリセロール3-リン酸シャトルでは、複合体1を経由せずに反応が進行する。

そのため、上の表から最終的に得られる生体分子エネルギーは

$$-35-116=-153 (kJ/mol)$$

解糖系で生じたNADHがすべてリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルで酸化される場合

リンゴ酸-アスパラギン酸シャトルで、1NADHから2.5ATPが生成される。

よって、合計で7ATP

リンゴ酸アスパラギンシャトルでは、複合体1を経由してから反応が進行する。

そのため、上の表から最終的に得られる生体分子エネルギーは

$$-69-35-116=-222 (kJ/mol)$$

複合体Ⅰ(すべての複合体で鉄が含まれる)

Fe-S中心はシステイン、ヒスチジンと配位結合している。複合体Ⅰでは6回の電子伝達が

複合体Ⅱ

複合体Ⅱでは3回の電子伝達があった。

複合体Ⅲ

シトクロムCは、両親媒性で生体膜表面を移動する。複合体Ⅲで電子を受け取り、複合体Ⅳへ電子を渡す。

シトクロムCが含有する電子伝達物質はヘムで、金属元素はFeである。

Qサイクル

Qはユビキノンのことである。これの還元体である\(QH_2\)はユビキノールである。

ユビキノンの特徴としては、キノンとイソプレノイド側鎖で構成されていて、イソプレノイド側鎖の疎水性の効果で生体膜内を移動するという特徴がある。

複合体Ⅰ、Ⅱから電子を受け取ったユビキノール(Q)は複合体Ⅲへ電子を渡して、その際に プロトンをマトリックスから膜間腔へ放出する。この一連の反応経路をQ回路と呼ぶ。

複合体Ⅳ

他の複合体に見られない、銅(Cu)が存在している。2つのCu(\(Cu_A\))とヘム\(a_3\)のFeと\(Cu_β\)がそれぞれ二核中心という特殊な形態をとる。

二核中心では

$$1/2O_2+2H^++4e^-→H_2O$$

の反応が起きている。

ATPシンターゼ

ATPシンターゼは構造的特徴から酵素反応を触媒とする\(F_1\)部分と生体膜に貫通する\(F_0\)部分に大別できる。ミトコンドリアのにマトリックス面に\(F_1\)部分が面している。(DNAがある方に面すると考えるのもあり)

アデニンヌクレオチドトランスロカーゼとリン酸トランスロカーゼ(リン酸輸送体)もATPとともに機能している。この3つの輸送体でATPシンタソームを構成している。

ATPシンターゼのアデニンヌクレオチドトランスロカーゼ、リン酸トランスロカーゼの二つの輸送体の存在理由はATPシンターゼでのATP合成のためのADP、リン酸をミトコンドリアマトリックスへ輸送させるためである。また、生成されたATPをへ膜間腔へ輸送する役割も持つ。

ATPシンターゼは、α3、β3、γ、δ、εのサブユニットで形成されていて、3個のαは\(F_1\)部分である。

電子伝達系で、内膜に形成されたプロトン駆動力を用いてATPシンターゼでATPを合成される。この反応は、

$$ADP+P_i→ATP$$

となる。1ATPが生成されると3\(H^+\)がマトリックスへ移動する。

ATPシンターゼの\(F_0\)部分は、抗生物質のオリゴマイシンで阻害される。

\(F_0\)サブユニットと\(F_1サブユニット\)の2つのサブユニットで構成される。

ATPの合成は\(F_1\)サブユニットで行われる。

プロトンの膜輸送は\(F_0\)サブユニットで行われる。

阻害剤

呼吸鎖の阻害剤は、電子伝達系の解析にも利用される。

睡眠薬のアミタールは複合体Ⅰを阻害する。しかし、複合体Ⅱやグリセロール3-リン酸シャトルを経る経路が動くため、若干のATP生産が行われる。

マロン酸は、複合体Ⅱを阻害する。しかし、グリセロール3-リン酸シャトルを経る経路が働くため、若干のATP生産が働く。

アンチノマイシンはAによって複合体Ⅲが阻害されると電子伝達系が機能せずATPの生成は行われない。

ミトコンドリア

ミトコンドリアDNAにコードされているタンパク質は、電子伝達系のタンパク質がほとんどである。新生児のミトコンドリアDNAは均一であり、加齢とともに変異が蓄積し不均一となる。

これは\(O_2\)に由来する反応性の高い活性酸素種(ROS)が生産されることが原因の一つである。ROSは、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)(\(H_2O_2\)へ変換)、カタラーゼ(\(H_2O_2→H_2O+1/2O_2\))、ペルオキシダーゼといった酵素で分解される。

カタラーゼが多く発現するということは過酸化水素の処理が多いということであるので、ガンの原因である過酸化水素をたくさん処理して安全ということにつながる。

ミトコンドリアにDNAがあるわけは、ミトコンドリアはもともとは独立に生きていたバクテリアで、細胞内に取り込まれて共生するうちに細胞のオルガネラとして進化したからである。

その証拠に、独自のDNAを持っているためである。また、内膜と外膜を有する点である。

また、好気呼吸を可能にするミトコンドリアDNAは核の染色体DNAよりも変異率が高く、このことは細胞・個体の生存を脅かす。この危険性を下げるために、細胞内共生後に進化上でミトコンドリアDNAの一部を核へ移した。

ミトコンドリアDNAと核DNAの違いは

核DNAは真核生物の細胞核内に存在し、通常1細胞に2コピー存在する。一方ミトコンドリアDNAはミトコンドリア内に存在し、1細胞に100から1000コピー存在する。核DNAの染色体は両端を持つ線形の構造をしており、ヒトでは約30億個のヌクレオチドを含む46本の染色体からなる。一方ミトコンドリアDNAの染色体は通常閉じた円形構造で、ヒトでは16,569ヌクレオチドが含まれる[5]。核DNAは二倍体であり、父親と母親の両方からDNAを受け継ぐが、ミトコンドリアDNAは一倍体であり、母親由来のDNAのみを受け継ぐ。核DNAの変異率は0.3%以下であるが、ミトコンドリアDNAの変異率は一般的にはそれよりも高い[6]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8DNA

ミトコンドリアのタンパク質の細胞内輸送

タンパク質がミトコンドリアの内膜やマトリックスに移行する際に、TOM/TIMというミトコンドリア膜透過装置を経由する。

核がオルガネラを制御するために送るシグナルが順行シグナルと呼ばれるのに対して、

核が一方的に発現調節がなされるのではなく、核遺伝子発現とミトコンドリアDNAにコードされる遺伝子発現は協調している。ミトコンドリアから核への指令をレトログレードシグナルとよぶ。

脱共役

プロトン勾配がATP生産に使われずに、その勾配を脱共役タンパク質を用いて熱発生をさせる系。

脱共役タンパク質

脱共役タンパク質とは、サーモニゲン、褐色脂肪細胞、白色脂肪細胞、筋組織などにある。

脱共役系とは、外気温を察知して交感神経から分泌されるノルアドレナリンが褐色脂肪細胞の受容体を活性化して、熱産生を担う分子の(脱共役タンパク質)の発現量を増加させる。そして、脂肪細胞の脂肪を分解して遊離脂肪酸を産生して、UCP1を活性化して熱を産生する。この一連の流れを熱産生という。

低酸素時

低酸素になるとHIF-1という転写因子が、様々な遺伝子発現の調製やタンパク質の機能調製を行い、解糖系と活性化し、クエン酸回路や電子伝達系を抑制する。

窒素サイクルおよび無機能窒素と有機能窒素の交換

窒素サイクルにおいて、硝酸が亜硝酸を経てアンモニアに還元される生化学的プロセスをと硝酸還元いい、これは微生物と植物によって行われる。また、硝酸態窒素が窒素ガスに変換される生化学的プロセスを脱窒とよび、これは微生物によってのみ行われる。大気中の窒素ガスは微生物の作用によりアンモニアに還元される。この生化学的プロセスを窒素固定とよぶ。窒素固定微生物は土壌や水環境に広く生息するが、マメ科植物では特にその根の根粒とよばれる構造物に根粒菌と呼ばれる窒素固定微生物が生息している。根粒菌はニトロゲナーゼという酵素の作用によって窒素ガスをアンモニアに還元し、これをマメ科植物の良い要素として与える一方、マメ科植物は根粒菌に炭水化物などの栄養源を与えることにより、共生関係を樹立している。したがって、マメ科植物は窒素分が少ない土壌でも良好に生育することができる。アンモニアが硝酸に酸化されるプロセスを硝化とよぶ。窒素ガスも放電により硝酸に酸化される。なお動物は、これらの無機能窒素間の変換能力をもたない、上に述べた無機能窒素の中で、有機能窒素への変換に利用されるのはアンモニアのみであり、アンモニアが取り込まれれる有機窒素の最初の形態はアミノ酸のグルタミングルタミン酸である。

グルタミン、グルタミン酸を作る際の酵素の名前は「グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼ」である。さらにアンモニアの無毒化に起用るのはグルタミンシンターゼである。

グルタミン酸デヒドロゲナーゼ
グルタミンシンテターゼ

アミノ基転位反応

アミノ基転位反応

N15 標識アスパラギン酸を動物に与えた場合、N 15 は多くのアミノ酸に現れるのは、アスパラギン酸をアミノ基供与体とするアミノ基転移酵素をアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼと呼び、この酵素によりアスパラギン酸のアミノ基がα-ケトグルタル酸に転移されてグルタミン酸が生成される。他の多くのアミノ基転移酵素はアミノ基供与体としてグルタミン酸を用いるので、標識窒素はグルタミン酸からほかのαケト酸に転移されることにより他のアミノ酸に速やかに広がっていくためである。

アミノ酸前駆体

解糖系およびクエン酸回路を構成する代謝中間体のなかで、アミノ基転移反応により直接的にアミノ酸を与えるものは以下の三つである。

ピルビン酸アラニン
2-オキソグルタル酸グルタミン酸
オキサロ酢酸 アスパラギン酸

アミノ酸の生合成と制御

必須アミノ酸

必須アミノ酸とは、哺乳動物体内で合成できずに植物や微生物から摂取しなければならないアミノ酸

シキミ酸経路

植物ではシキミ酸経路を通って、植物や微生物における芳香族アミノ酸や芳香族化合物の前駆体を作る。この経路では、まず、ホスホエノールピルビン酸とエリトロース4-リン酸からシキミ酸を合成する。そこから、コリスミン酸を合成して、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンを生成する。これらの芳香族アミノ酸から植物六優の生体成分が導かれる。

シキミ酸経路の応用

バイオテクノロジーにおける意義として、シキミ酸経路は動物には存在せず、植物固有のものである。そのため、この経路を阻害しても動物には無害であるため、安全な除草剤として有用である。グリホセートはこの経路の一つの酵素であるEPSPシンターゼの強力な阻害剤であり、この酵素の基質の一つであるホスホエノールピルビン酸の構造アナログである。

※構造アナログ:

化学におけるアナログ: analogue、: analog)は、ある化合物受容体結合特性などの分子生物学的な性質や構造が類似しているが、ある化合物の原子または原子団が別の原子または原子団と置換された組成を持つ別の化合物のことをいう。類似体類縁体類似化合物類縁化合物などと表現されることもある。また、アナログは、化合物に限らず、ある物質や原子団に性質や構造が類似している別の物質や原子団を指すより広い意味で用いられることもある。医薬品化学においては、期待される生理活性を持つ化合物が見つかると、より高い活性を持つ化合物を求めてその化合物の誘導体の探索を行なうことがよくある。このとき、探索の出発点となった化合物をリード化合物、その誘導体をアナログと呼ぶ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%82%B0_(%E5%8C%96%E5%AD%A6)

フィードバック抑制

原核生物では一つの代謝経路を構成する酵素群の遺伝子はクラスターを形成していることが多く、そのクラスターの上流にはオペレーターと呼ばれる配列があり、さらにそのすぐ上流にはプロモーターと呼ばれる配列がある。プロモーターはRNAポリメラーゼの結合部位であり、そこへ結合したRNAポリメラーゼはその下流の遺伝子を発現させていく。プロモーター配列のさらに上流にはリプレッサー遺伝子がある。リプレッサータンパク質は単体では特に効果はないが、最終生成物の存在下ではリプレッサータンパク質は最終生成物と結合してコンホメーションが変化してオペレーターへ結合してRNAポリメラーゼの転写を阻害する。この機構をフィードバック抑制とよぶ。この、リプレッサー、プロモーター、オペレーター、酵素群の遺伝子からなるセットをオペロンとよぶ。

遺伝子発現の調節「トリプトファンオペロン」抑制型オペロン | TEKIBO
https://tekibo.net/biology-41/#toc2

フィードバック阻害

フィードバック阻害の阻害剤は、最終生成物が数段前の反応を触媒する酵素の活性を阻害するので、その酵素の基質とはかけ離れた構造をしている。そのため、酵素の活性中心ではないところに結合してコンホメーションを変えるなどの間接的な方法で酵素活性を抑制する。つまり、アロステリック阻害と呼ばれるものである。

アルギニンの生合成系とアスパラギン酸系列のアミノ酸の生合成系

アルギニンの生合成では直列につながったいくつもの酵素反応から構成されていて枝分かれがない、最終産物のアルギニンは第一段階と、第二段階の反応を阻害する。

アスパラギン酸系列のアミノ酸生合成経路は、枝分かれの酵素反応があり、枝分かれ前の共通な反応を最終生成物Pが完全に阻害してしまうと必要であったもう一つの最終生成物Qが合成できないので、このような経路ではPとQが同時に存在するときにのみ初めて完全阻害する。

代謝制御酵素

以下のアスパラギン酸系列のアミノ酸生合成経路で、スレオニン要求変異株を用いるとスレオニン要求性となる。スレオニンが合成できず、リシン生合成時にフィードバック阻害が十分に発生しなくなりリシンを大量に合成できるようになる。このときスレオニンがないと生きていくことができないので少量のスレオニンを与えてやると微生物は増殖をして、少量のスレオニンではフィードバック阻害が起こらないのでリシンが生成され続ける。

また、リシンのアミノ酸アナログを用いるとリシンと同様なフィードバック阻害効果を示し、リシンの生合成を阻害して微生物の生育を阻害する。この時、微生物に突然変異を誘発させえてリシンのアミノ酸アナログ存在下でも生育できる変異株を得られれば、この変異株はリシンによるフィードバック阻害に負感受性となりリシンを大量生産する。

窒素平衡

植物の窒素利用:すべてのアミノ酸を合成でき、有機能窒素はタンパク質として貯えることができる。

動物の窒素利用:必須アミノ酸を合成できず、それらを外部から摂取しなければならない。そのため生体構成成分の維持に必要な窒素量より多い量を摂取するが蓄積ができない。そのため摂取量と同量の窒素が排出されなければならない。動物では摂取した窒素、体を構成する窒素、排出される窒素は体内アミノ酸プールを介する動的な平衡状態にある。これを窒素平衡と呼ぶ。

アミノ酸の異化

アミノ酸の分解経路は複雑であるが一般には以下のように述べることができる。通常、アミノ酸の異化はアミノ基の除去から始まる。除去されたアミノ基は尿素回路により処理される。アミノ酸の炭素骨格部分は分解を受けて7種類の代謝生成物を生じる。それらのうちの6つは解糖系・クエン酸回路のメンバーであって、ピルビン酸、アセチルCoA、α-ケトグルタル酸、スクシニルCoA、フマル酸、オキサロ酢酸であり、残りひとつはケトン体の活性エステルであるアセトアセチルCoAである。動物はその時点での代謝上の必要性に応じてこれらの代謝生成物をグルコースや脂肪酸の合成もしくはエネルギー生産のために用いる。分解されてアセチルCoAやアセトアセチルCoAを生じるアミノ酸は脂肪酸あるいはケトン体に変換されうるためにケト原性と呼ばれている。一方であるアミノ酸はピルビン酸やクエン酸回路の中間体に文亜紀されてグルコースの合成に利用されるので糖原性と呼ばれる。アミノ酸によって、ケト原性でありかつ、糖原性であるものもある。

アミノ酸からのアミノ基の除去の反応としてアミノ基転移反応(補酵素:PLP)酸化的脱アミノ化反応(補酵素:NAD+があげられる。

ケト原性:ロイシン、リシン

糖原性:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、イソロイシン

ケト原性かつ糖原性のアミノ酸は、ピルビン酸を生成するかクエン酸回路に流入してオキサロ酢酸を与える。ピルビン酸もオキサロ酢酸も糖新生経路によりグルコースに変換させるので糖原性と呼ばれる。

窒素の排泄

・淡水魚…アンモニア

・オタマジャクシ…アンモニア

・親ガエル…尿素

・カメ…尿素

・ヘビ…尿酸

・鳥…尿酸

・哺乳類…尿素

アンモニアは基本的に動物にとって有毒で、水中に存在する魚などはアンモニアを常に水中に十分に希釈しながら排出でき、哺乳類などは尿素を水に溶かして排出する。一方で、水が少ない環境に存在する鳥類などは尿酸として固体で窒素を排出する。

哺乳類の窒素の排出

アンモニアから尿素を合成する一連の生化学反応は「アンモニアの活性化」、「二つの細胞区画(ミトコンドリアと細胞質ゾル)にまたがった代謝回路A→尿素回路」の二つの部分に大きく分けて考えることができる。

二つの細胞区画にまたがっている理由はカルバモイルリン酸は細胞質ゾルに存在するとオロト酸の生成が行われてしまうので、カルバモイルリン酸が関わる代謝反応を閉じ込めておくため。

・一連の生化学反応は肝臓で進行する。

・尿素の構造式

・アンモニアの活性化の反応式

・尿素回路のおけるミトコンドリアマトリックス内の反応(オルニチン→シトルリン)

・シトルリン+アスパラギン酸(クエン酸回路のオキサロ酢酸からアミノ基転移反応により合成可能)→アルギニノコハク酸

・アルギノコハク酸→アルギニン+フマル酸(クエン酸回路ではオキサロ酢酸をつくりアミノ基転移反応からアスパラギン酸の合成が可能

・アルギニン→オルニチン+尿素

ヌクレオチド

ヌクレオシド(塩基と五炭糖)

ヌクレオチド(塩基と五炭糖とリン酸基)

プリン塩基(環が二つ)

ピリミジン塩基(環が一つ)

サルベージ合成

細胞内の核酸のぶんかい、食餌として得られた拡散成分の再交換

サルベージ合成経路にかかわる酵素の欠損が原因となる疾患にレッシュ・ニーハン症候群が知られている。この疾患は尿酸の生成量が著しく増大して、精神神経障害を伴う。生まれた直後は正常であるが、生後3,4カ月で以上が出始める。この疾患の存在はプリン再利用経路が生死に関わるほど重要であることが分かる。

de novo合成

糖前駆体やアミノ酸などから新規合成

ピリミジン塩基とプリン塩基のde novo生合成の違いは、プリン塩基がリボースリン酸分子上に塩基が組み立てられていくのに対し、ピリミジン塩基は塩基が作られてそこへリボースリン酸基が結合する。

理由としては、プリン塩基は水溶性が低いため、完成時に沈殿してしまわないように、糖分子上で合成することによりあらかじめす水溶性を確保している。それ自体で水溶性が高いピリミジン塩基はそのような措置が必要ない。

光合成

光化学系Ⅱ

集光性複合体Ⅱで吸収したエネルギーが、共鳴エネルギー(励起子)移動によって反応中心の特殊ペアを励起する。その結果電子が放出されて、その電子はフェオフィチンに渡る。励起した特殊ペアは、マンガンクラスターにおいて生じる電子を受け取る。

特殊ペアとは、クロロフィル分子のことである。

{{{画像alt1}}}
フェオフェチン

クロロフィルの構造からMg2+がとれ水素原子二つと置き換わった構造をしている。フェオフィチンはポルフェリン環を持っていて光を吸収できる。

マンガンクラスターでは、水が酸化されて電子が特殊ペアへわたる。

2H2O→O2+4H++4e

循環的電子伝達経路

植物の循環的伝達経路は、電子を受け取ったフェレドキシンなどから、プラストキノンやシトクロムb6f複合体に電子を渡す。このとき、正味の基質の変化が起こらないが、チラコイド膜に囲まれた内腔(ルーメン)側へH+が輸送されるためATP合成が生じる。この循環的電子伝達経路の目的は、ATP/NADPH比の調整や過剰光エネルギーの散逸と考えれられている。循環的電子伝達経路でATP/NADPHの調整することで、ATPは様々な代謝系で必要となるため供給している。

また、循環的電子伝達経路が生じない場合は、最終電子受容体はNADPHである。

フェレドキシンとチオレドキシンは光調整を行う。

・フェレドキシンレダクターゼ→ フェレドキシンから電子をもらい、NADP++H+→NADPH の反応を行い、NADPHの合成を行う。

・チオレドキシンレダクターゼ→ フェレドキシンから電子をもらい、チオレドキシンを活性化させて、カルビン回路で必要となる酵素を活性化させる。

北半球では、春から秋にかけて光合成が盛んになりCO2から、還元分子の糖が生産される。チラコイド膜に埋没する膜たんぱく質複合体が、光受容、エネルギー移動と化学分子の変換を行う。光化学系Ⅱ(PSⅡ)は集光性色素であるクロロフィルやカロテンなどで構成されるLHCⅡでエネルギーの吸収と移動が起こり、特殊ペアからなるP680が活性化する。続いて電荷の分離が起こり、電子はフェオフィチンにわたる。この時、特殊ペアは強い酸化剤となり、酸素発生複合体マンガンクラスター)のにおいて2分子のから電子を引き部いてO2とH+がストロマから内腔へ移動する。形成されたH+が発生する。フェオフィチンに渡った電子は、プラストキノンを経てシトクロムb6f複合体に移動する。この時、H+がストロマから内腔へ移動する。形成された H+ 駆動力を用いて、ATPシンターゼによりADPからATPがストロマで合成される。さらに、電子はシトクロムCと同じ役割を持つCuを含むプラストシアニンに渡る。光化学系Ⅰ(PSⅠ)の特殊ペアも光照射で活性化されて、プラストシアニンから電子を抜き取りクロロフィルaに電子を渡す。続いて、フィロキノン、Fe-Sタンパク質、フェレドキシンを経て、フェレドキシンを経て、フェオフィチン:NADPH+:オキシドレダクターゼに電子が渡りNADPHが生産される。

昼間、葉にある葉緑体を介して、植物は空気中の二酸化炭素を吸収すると同時に酸素を放出する。明反応では、太陽光エネルギーを生体エネルギー分子に変換する。カルビン回路(暗反応)において、糖などの有機分子にそのエネルギーが貯蔵される。光合成の明反応と呼吸鎖の酸化的リン酸化には類似性が多いのが特徴である。前者はチラコイド膜、後者はミトコンドリア内膜に埋め込まれた膜タンパク質を主体とする反応である。その膜タンパク質の間を電子が移動するうちに生体エネルギーが生産される。

動物の生存は植物に依存している。光合成生物や植物の光合成は、明反応と暗反応に二分される。明所においえt、クロロフィルなど集光に関わる色素を介して生じた励起エネルギー(励起子)は光合成で主要な膜構造体の一つである光化学反応中心複合体の中心部の特殊ペアに移動する。次に、酸素発生複合体において、4つの励起子から2分子のが1分子のO2へ変換されると同時に4分子のH+と電子が生産される。発生した電子は、生体膜のタンパク質や分子を移動する。葉緑体ではさらにもう一回太陽光エネルギー捕獲が行われることとなる。明反応全体では合計2か所で光エネルギーの変換が起こる結果、NADPHATPという高エネルギー物質が生産される。明反応で生産されたC

酸素を生み出す特徴を持つシアノバクテリア(ラン藻)が細胞に取り込まれて葉緑体として定着した。このため葉緑体は遺伝子を保持するが、その遺伝子の数はラン藻のそれよりも少ない。ルビスコを構成する大サブユニットの構造遺伝子は葉緑体ゲノムに、小サブユニットの構造遺伝子は核の染色体にそれぞれコードされている。地球上に会う大量のユビスコのCO2の固定速度は小さい。この原因の一つは光吸収に関与するためである。

明反応

光合成反応中心では、光のエネルギーはクロロフィルと呼ばれるヘムに似た化合物によって受け取られる。植物にある2種類の光合成反応中心のうち(Ⅱ型反応中心)ではクロロフィルが光(680nmの波長)を吸収するとそのエネルギーによりクロロフィル内の電子が壊れやすくなり、この電子が(フェオフィチン)→メナキノンとユビキノンという2種類の化合物に順にわたり、(プラストキノン)と呼ばれる分子にわたる。(プラストキノン)は還元されると葉緑体のストロマから水素イオンをとり、()と呼ばれる分子を

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