アトキンス物理化学 10版 4B・1(a)&(b)の解答

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アトキンス物理化学 4B・1(a)解答

標準状態と通常状態の転移温度の定義の違いは、転移の時の圧力の違いのことで、標準状態では1atm,通常状態では1barである。

融点は液相と固相が平衡状態であるから、両者の化学ポテンシャルは等しい。

$$μ_液(T_{通常},P_{通常})=μ_固(T_{通常},P_{通常})$$

$$μ_液(T_{標準},P_{標準})=μ_固(T_{標準},P_{標準})$$

化学ポテンシャルは、温度と圧力の関数であるから、全微分してみると

$$dμ=(\frac{\partial μ}{\partial T}_P)dT+(\frac{\partial μ}{\partial P})_TdP$$

これの偏微分のところへアトキンス物理化学10版の上の4B.1式と4B.2式を代入してみると

$$dμ=-S_mdT+V_mdP$$の式が導出される。

標準状態と通常状態の融点の差を微小なものとすると化学ポテンシャルの差は等しいと仮定される。

$$\Delta μ_{固体}=-S_{m,固体}\Delta T+V_{m,固体}\Delta P=-S_{m,液体}\Delta T+V_{m,液体}\Delta P=\Delta μ_{液体}$$

これを整理して考えると

$$(S_{m,液体}-S_{m,固体})\Delta T=(V_{m,液体}-V_{m,固体})\Delta P$$

\((S_{m,液体}-S_{m,固体})\)は、融解エンタルピーとして\(\Delta_{fus} S\)で表せる。

$$(\Delta _{fus} S)\Delta T=(V_{m,液体}-V_{m,固体})\Delta P $$

$$\Delta T=\frac{V_{m,液体}-V_{m.固体}}{\Delta_{fus}S}\Delta P$$

各相のモル体積はモル質量を密度で割ったものであるから次の式に変換できる。

$$\Delta T=(\frac{1}{μ_{液体}}-\frac{1}{μ_{固体}})\frac{M\Delta P}{\Delta_{fus}S}$$

また、エンタルピーとエントロピーの関係は\(H=TS\)であるから

$$=(\frac{1}{μ_{液体}}-\frac{1}{μ_{固体}})\frac{MT_f\Delta P}{\Delta_{fus}H}$$

$$=(\frac{1cm^3}{1.000g}-\frac{1cm^3}{0.915g})\frac{18.0gmol^{-1}273.15K1325Pa}{6008Jmol^{-1}}\times \frac{1m^3}{10^6cm^3}$$

$$=-1.0\times 10^{-4}K$$

アトキンス物理化学 4B・1(b)解答

1(a)と同様にして考えると、

$$=(\frac{1}{μ_{気体}}-\frac{1}{μ_{液体}})\frac{MT_f\Delta P}{\Delta_{vap}H}$$

$$=(\frac{1cm^3}{0.598\times 10^{-3}g}-\frac{1cm^3}{1.000g})\frac{18.0gmol^{-1}373.15K1325Pa}{40700Jmol^{-1}}\times \frac{1m^3}{10^6cm^3}$$

$$=3.7\times 10^{-1}K$$

必要な知識

化学ポテンシャルのTによる変化は$$(\frac{\partial μ}{\partial T})_P=-S_m$$

化学ポテンシャルのの圧力による変化$$(\frac{\partial μ}{\partial P})_T=V_m$$

以上、お疲れ様でした。

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